2020年12月23日水曜日

New Remote Normal (Management 3.0 Japan Conference 2020)


 Management 3.0 Advent Calendar
23日の記事になります。

2020年はもうコロナでアレでしたね。私の場合はプライベートでもわりと大きめなコトがあり、なんだかあっという間でした。幸いに仕事もさせていただけているし、イワナ釣りにハマったり、それなりに充実してたかなと思います。



2020/9/12にManagement 3.0 Japan Conference 2020が行われました。
あらためて、スポンサーの皆様、登壇いただいた皆様、スタッフ、そして参加いただいた皆様本当にありがとうございました。
カンファレンス のキーノートの一つは、Lisette Sutherlandさんの講演、"Navigating the New Remote Normal" でした。Lisetteさんは『リモートワーク(原題: Work Together Anywhere)』という本の著者で、このコロナ渦にタイムリーなお話でした。
  • Define What is Normal & Expected
  • Make Communication Easy
  • Explore New Ways of Being "Present"
リモートワークを成功させるためのアイデアをこの3つの軸で展開していました。
1つ目ののDefine What is Normal & Expectedは、
  • チームアグリーメント
  • 何をもって完了とするか?
  • 労働時間では無く成果での評価
など、たとえリモートじゃなくてもちゃんとしておいた方がいいという内容でした。

2つ目のMake Communication Easyは、リモートでのコミュニケーションを簡単に・円滑にするためのアイデアなんですが、その中には
  • ミーティングの時間・回数を減らし質を上げる
  • 非同期コミュニケーションをうまく使う
など、これもまたリモートじゃなくても有効なものがありました。

3つ目のExplore New Ways of Being "Present"は、チームが同じ場所にいない状態で、どう存在感をお互い感じる・感じさせるか。『そこにいる感』『一緒にいる感』をどう作り出すかという話でした。カメラをonにして顔を出した方がいいとか、バーチャルオフィスツールの紹介などですね。日本のコミュニティではDiscordが急速に普及しました。イベントではもう必須と言えるかもしれません。ただテキスト、音声で話すだけならSlackでもできるのに、Discordが流行ったのは『どの部屋に誰がいる』という状態をDiscord上でできることが理由かなと思います。

こんな感じで、まさに今皆が必要としているような内容でした。
リモートであるなしにかかわらず取り組んだ方がいい内容も結構ありました。そしてそれらは、リモートになるとその必要性・有効性が際立つというのは私の体感としてあります。例えば、伝えたい内容や対象によって何を使うか(Slackなのか通話なのか..)を決めておくとかです。私も遅まきながら、現場でチームアグリーメントをまとめたりしました。

急激な変化は誰もが混乱します。特に日本人、日本の組織は急に何かを変えるのが苦手だと思います。しかし、コロナによって問答無用に変えさせられました。私の関わっている現場でもギリギリまでフルリモートでの業務遂行に踏み切れず、リモートで業務が成り立つのか?という感じでした。それでも緊急事態宣言によって強制的にリモート生活に切り替えられました。私が関わっている現場では、主に営業マンが使う目的でリモートから社内ネットワークにアクセスする仕組みがあったので、急なリモートへのシフトがなんとかなりましたが、なかったらどうなっていたか... 私はManagement 3.0のコミュニティなどリモートでの活動の経験がで得たものをフル活用して、チームのリモートワークはどうにかしました。アナログカンバンなどは全て封印されましたが別のツールでどうにかして、リモートになってもカンバンも日時のミーティングもすべて何もやめずに推めることができています。『集まらなくなった』という大きな変化以外は何も変えずいつも通りにしたかった。たまたまできた、という部分もありラッキーだったと思います。

コロナによって、『変われない』『決められない』という弱点が露呈した(している)なと思います。自己組織化、自己マネジメントができるチーム、組織が強さを際立たせる世の中になってきているのかなと思います。

年単位で放置していたこのブログをこんなに短期間に3つも書くなんて自分でもびっくりですが、続くかな。



2020年12月22日火曜日

決め方を決める

 Management 3.0 Advent Calendar 2020 22日の記事になります。 思い立って突然投稿してみました。


前回Scrum Fest Sapporoの話を書きました。Scrum Fest Sapporoで私が話した内容のメインはDelegation Pokerを使った話でした。Delegation Pokerは、ある『意思決定領域』に対して、マネジメント側とチーム側のどちらが決めるか、そのレベルを決めるというものです。





そして、2020/12/16にTACO(Tokyo Agile Community)のイベントで、ステファンと寳田さんでManegement 3.0の新しいモジュール、"Teams" の話、そしてTeam Decision Matrix のワークショップを行いました。
Team Decision Matrixはチーム内での意思決定の仕方を決めるというものです。



いずれも『決め方を決める』という物です。
何かを決める前に決め方を決めなくちゃならんのかと思うと、やたら面倒な話に思えますが、どう決めるかってのは「モノによる」んですよね。実際会社でモノを買ったりするにも金額とかで決済の条件が決められていたりします。
皆さん実際どうしてますか? 例えばフレームワークやツールの選定とか、プロセスとか。チームが納得していない決定って効果的ですか? まさに「モノによる」じゃないかと思います。
  • マネージャーが決める
  • チームが決める
  • 有識者が決める
  • チーム全員で決める
  • 多数決で決める
  • なんでもいい
それぞれモノによって、その時のチームの状況によってどれを選択すべきか変わってきそうです。「これについてはこう決める」ということを決めておくのは、その決定に対する納得感のためには効果的かと思います。チームの状態は変化してゆくので、定期的に見直したりする必要はありそうです。私もDelegation Pokerを2回やりました。
なによりも、その対象についてメンバーがどう認識しているかをお互いに知ることができます。カードを出して、そのカードを選択した理由を表明することによって、対象をどう捉えているかの違いもわかります。そしてそこからその対象をどう捉えるべきかという議論ができます。こういうプロセスを経て、決め方が決まるのがとてもチームにとっていい影響、効果があります。


「納得感のない決定は効果的か?」というのは、Lean Change Managementの研修から引用した物です。次回そういう話を書こうかな。

2020年12月12日土曜日

SCRUM FEST SAPPORO 2020にManagement 3.0ネタで参加しました

Management 3.0 Advent Calendar 2020 12日の記事になります。

11月に私とStefanで、SCRUM FEST SAPPORO 2020に参加しました。

ホントは4月に予定されていたのですが、コロナがアレで11月に延期、そしてオンライン開催となりました。いろいろ大変だっと思いますが開催していただいてありがとうございます。とても素晴らしいイベントでした。
ホントは札幌行ってイベント参加して、そのままイトウ釣りチャレンジしちゃおうかなとか考えてました。行きたかったな。

私たちのセッションを簡単にまとめると、私が現場でManagement 3.0のプラクティス(Celebration Grid, Delegation Poker, Moving Motivators)を実践してみた話をして、ステファンがMoving Motivators, Delegation Pokerのワークショップを行いました。私自身とても楽しめました。
参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

スクフェス札幌で話したネタの中で、私が本当に実感しているのは「人は、自分が扱われる通りの行動をするものです。」ってやつです。



これはManagement 3.0の研修資料の1ページなんですが、本当にその通りだなと感じています。
私が現場でDelegation Pokerを使ってみて、再確認したとういうか、改めて気づかされたものです。
これは『上司が部下をどう扱うか』だけではなく、部下が上司にどう接するか、または職位の上下に関係なく言えることだと思います。「この上司は話してもわかってくれないだろう」という態度だったら、その上司はきっとなにも考えてくれない。こんな感じで噛み合わない時って、多分お互いに「きっとこうだろう」と決めつけちゃってるかもしれません。


Management 3.0には様々な課題に対するアプローチのヒントがあります。もっと知られるといいな。私もそのために微力ながらボチボチ活動してゆきます。